月がつなぐ異世界で|本格異世界大河ファンタジー

月がつなぐ異世界で。本格異世界大河ファンタジー

本格異世界大河ファンタジー『月がつなぐ異世界で』
 美しく見える世界ほど裏に回れば汚い。強い世界は濃い闇を生むように。

17歳、稀代の美少女、孤児、施設育ち、女子高生、デート嬢。
そんな瑠奈の前に突如現れた青年たち。

「お迎えにあがりました、神王聖下」

月神シャーが姿を変えて人々の前に降臨した救世主アイヴァン・サナイの子孫にて、凶徒の刃を逃れるために異世界へ送られたレイクトラの次期神王アレグリナ・サナイ。それが瑠奈の真実の姿だった。
生まれた世界へ戻った瑠奈は迎えに来た11人の従騎士――ギルネ、オルター、ロドス、ディディム、ガラジェ、リプシマ、ダカーン、エル・マル、エスキル、シナーン、ファチャと、彼女を唯一の神王位継承者と仰ぎ奉る十一使徒家が待つ月の谷へ向かう。
しかし中欧の田園風景に似た美しく牧歌的な故国は、血なまぐさい諍いとどす黒い陰謀が渦巻く世界だった。

瑠奈の母、第16代神王リレは16年前、アイヴァン・サナイをシャーとは信じない旧派によって惨殺される。その凶行を陰で操っていたのはリレの聖夫ナヴァールだった。そして瑠奈はリレ亡きあと神王位についたナヴァールの手に落ちる。
瑠奈を取り戻すため、捨て身の行動に出る従騎士たち。

瑠奈と従騎士、そしてレイクトラの運命は――。

「戦になるの?」
「これ以上の悪行はないな。俺たちは聖域を血で汚した極悪人だ」
「わずかな手切れ金と引き換えに子供を売り渡し、売られた子供は月の谷で傭兵として育てられる。そういうことなんですよ。世の中ってのはね」
「ナヴァールのもとへ行け。お姫様になるためにおまえはこの世界に帰ってきたんだろう」
「人には役割がある。十一使徒家の男として生きる覚悟ならば、おまえは自分のそれを務めあげろ」
「全員が死ぬとは限らない」
「あのかたは十一使徒家にとって唯一の希望。厚い雲間から差し込む一筋の光明なのです」
「心にもないことを」
「愛していらっしゃるのですか」
「身内から裏切り者が出たとも公表できん」
「でも、あたくしたちは今、月の谷で生きている」
「紛れもなく貴女はアレグリナ様です」

「我が命、我が忠誠、終生、御身に捧げ奉る!」




月がつなぐ異世界で。本格異世界大河ファンタジー

本格異世界大河ファンタジー『月がつなぐ異世界で』
為政者とは腹黒いものだ。

前作『月華伝』では描かれなかった、オルターとエル・マルの裏切りが発覚してから瑠奈と十一使徒家が月の谷を出るまでの物語。

投獄の身となったオルターとエル・マル。ナヴァールとの和議に揺れる月の谷。そして自由を奪われた瑠奈の心もオルターを思い揺れていた。
そんななか、レイクトラには隣国バイロンより新たな脅威が迫りつつあった。

「ナヴァール公の件は我らが国を動かしていくうえでの、できごとの一つにすぎません。我らは常にその先を考えねば」
「御自らナヴァール公をお討ちにならずとも……。ディディムも、ロドスもいます」
「なまじお心を通わされぬほうがよろしいですわ。今生の別れとなれば辛うございます」
「ことが成し聖宮にお入りなられたら、あのかたは王であり神になる。今以上に自由はなくなる」
「逃げ場のない山岳地の街道では力で押されたら負け。わずか三千では一日ももちこたえられません」
「……殺す」
「騎士ではない虫けらの言葉なんぞ蚊の屁のようなものだ」
「ご立派な道徳を作っても、弱肉強食を是とする人間が結局は勝ち組になるということね」
「本当にあの時のアレグリナ様は格好よくていらっしゃいましたわ」
「神王聖下に狼藉を働く者などおりません」
「深窓の姫君であらせられたリレ様ですら女官の目を盗んでご懐妊だぞ。自由な世界でお育ちになり、すでにご経験済みのアレグリナ様にいたっては」
「あいつ、言うにことかいて。俺のどこが不満だ」

それでも、もしかしたら残ってくれるのではと期待していた。
でも、彼は帰っていった……。

もうすぐ戦が始まる。



月がつなぐ異世界で。本格異世界大河ファンタジー

本格異世界大河ファンタジー『月がつなぐ異世界で』
シャーは三つの身分を作りたもうた。祈る人、耕す人、戦う人。

レイクトラの聖宮は正式に即位した第17代神王アレグリナを頂点に、トスカナ一と謳われる栄華を誇っていた。しかしランドック山脈の北では飢饉喘ぐ隣国バイロンが侵攻の準備を整えつつあった。
ロドス、ディディム、ダカーン、エスキルは山岳地の街道にてバイロン軍を食い止めるため、兵を率い出陣する。一方、聖宮に残るアレグリナのもとにはエル・マルの手引きで極秘の会談が持ち込まれる。相手はバイロンの王子アスランだった。それを知ったギルネは激怒し、アレグリナに謹慎を命じる。
そんなおり、アレグリナに一通の手紙が届く。差出人の名がないそれには英語でこう書かれてあった。

バイロンがランドック山脈の下をレイクトラまで貫くトンネルを見つけた。

山岳地をやってくるバイロン軍は囮だった。
裏をかかれたレイクトラに残る兵力はわずか1万余。対するバイロンは15万を超える大軍がトンネルを通ってレイクトラに攻め入ろうとしていた。
そして山岳地では従騎士たちが率いる傭兵部隊とバイロンの囮部隊の戦闘が始まる。

レイクトラ、そしてアレグリナと十一使徒家の運命は――。

「我が国の安定のためには、ここでバイロンの民に死んでもらわねば困る」
「俺たちは二度と指揮官に任命されんかもしれんぞ」
「惚れた女一人、幸せにできぬ男など生きる価値もない」
「悔しいよ。この目が視えたら。そうしたら僕も一緒に戦えるのに」
「わたくしは聖下にお仕えもうしあげる女官にございます!」
「たしかに生まれはレイクトラだが、今はただの無法者だ。どこの国の、誰でもない」
「お飾り野郎は判断がくだせない」
「内緒にしておけと言われましたが、お会いできるのはこれが最後かもしれませんので」
「どんな卑劣な手を使ってもいい。必ず生き残って帰っておいで」
「十一使徒家の一人として、誇れる生きかたをさせて」
「おまえ以外の女と結婚する気はない」



●登場人物●

 
月がつなぐ異世界で。本格異世界大河ファンタジー
      瑠奈    
      アレグリナ・サナイ。レイクトラ第17代神王。16年前、行方不明となり京都の施設で育つ。







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    オルター  
    十一使徒レザック家の出。14年前、生まれた世界に帰るが、一人、アメリカに戻る。







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    ギルネ   
    十一使徒セヴン家の騎士。瑠奈の補佐役。冷淡で堅物









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ロドス   
十一使徒カレ家の騎士。最年長。男気溢れる豪放な性格。








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ディディム 
十一使徒カラマン家の騎士。月の谷一の剣豪。








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ガラジェ  
十一使徒ビオス家の貴婦人。肝っ玉の据わった姐御。








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リプシマ  
十一使徒ムーラ家の女騎士。知的で剣の腕も立つ。








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 ダカーン  
 十一使徒マン家の騎士。見た目は怖いが信仰心は厚い。








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エル・マル 
十一使徒クル家の騎士。世情に通じていてお洒落。








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エスキル  
十一使徒カディ家の騎士。女性的だが剣の腕は超一流。








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 シナーン 
 十一使徒エフェス家の子息。盲目のシャーバン。








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  ファチャ  
  十一使徒ミティーリ家の令嬢。純情で心優しく素直。










                      ●キャラクターデザイン 赤根晴●



著者紹介
   御木宏美
1995年 『WORKDAY WARRIORS』でデビュー
    公式ホームページ http://www.mikihiromi.com


商業出版
WORKDAY WARRIORS』シリーズ、『こいきな男ら』シリーズ(心交社)
『首相官邸の不埒な恋愛主導』(講談社)
『華麗な恋の標的』(アスキー・メディアワークス)
『野蛮なセレブ』シリーズ(桜雲社)
『蒼穹の戦姫-救世のエレメント-』(アルファポリス)
『ダブルカップル』(AI digital publising
                          その他、著書多数
   同人誌

   『女たちの宇宙戦艦ヤマト-華恋の航跡-』全12巻(電子書籍e-STARBOOKS

                    
電子書籍出版代行 くるみ出版舎